- 2024年09月06日(金)00時05分ポスト
ニューヨーク外国為替市場概況・24時 ドル円、一転上昇 5日のニューヨーク外国為替市場でドル円は一転上昇した。24時時点では143.92円と22時時点(143.09円)と比べて83銭程度のドル高水準だった。8月ADP全米雇用報告が9.9万人増と予想の14.5万人増を下回ると全般ドル売りが先行。節目の143.00円を下抜けて、一時142.85円と8月5日以来の安値を更新した。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。
8月米総合・サービス部門PMI改定値や8月米ISM非製造業景況指数が予想を上回ったことがドル買いを促すと、一時144.23円と日通し高値を更新した。連日軟調だったナスダック総合が1%超上昇するなど、米国株相場が底堅く推移したことも相場の支援材料。 ユーロドルは伸び悩み。24時時点では1.1080ドルと22時時点(1.1093ドル)と比べて0.0013ドル程度のユーロ安水準だった。低調な米雇用指標をきっかけに一時1.1120ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に上値が重くなった。予想を上回る米ISM非製造業景況指数などが相場の重しとなった。 ユーロ円は底堅い。24時時点では159.47円と22時時点(158.74円)と比べて73銭程度のユーロ高水準。22時前に一時158.62円付近まで値を下げたものの、アジア時間に付けた約1カ月ぶりの安値158.56円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。23時30分過ぎに一時159.79円と日通し高値を付けた。
特に新規の円売り材料は伝わっていないものの、市場では「前日まで大幅に売られていたナスダック総合やWTI原油先物相場に買い戻しが入るなど、明日の8月米雇用統計を前にポジション調整が進んでいる」との声が聞かれた。本日これまでの参考レンジ
ドル円:142.85円 - 144.23円
ユーロドル:1.1075ドル - 1.1120ドル
ユーロ円:158.56円 - 159.79円
Powered by DZHフィナンシャルリサーチ
ADP全米雇用報告(ADP National Employment Report)は、アメリカの自動給与計算サービス会社であるADP社が毎月発表する雇用データのレポートです。非農業部門における民間企業の雇用者数の増減を示しており、特にFXや株式市場では、米国の労働市場や経済全体の状況を予測するための重要な指標として注目されています。
特徴:
- 毎月第1水曜日に発表: 米国東部時間の午前8時15分に発表されます。月次の雇用動向を早く知ることができるため、注目度が高い。
- 非農業部門に焦点: 農業部門を除いた民間部門の雇用データを反映。公共部門の雇用は含まれません。
- 米雇用統計(NFP)との関連: ADP雇用報告は、月初に発表される米国政府の雇用統計(非農業部門雇用者数、NFP)の先行指標として使われることがありますが、完全に一致するわけではありません。
トレーダーへの影響
ADP全米雇用報告は、市場の雇用状況に対する期待を形成するため、為替(FX)や株式市場、債券市場に大きな影響を与えることがあります。特に、雇用の増減が予想を大きく上回ったり下回ったりすると、ドルや主要株価指数に強い動きが出ることがあります。
この報告は、米国の経済全体の健全性や連邦準備制度(FRB)の金融政策に対する市場の見通しにも影響を与えるため、非常に注目されています。
米総合・サービス部門PMI改定値と米ISM非製造業景況指数は、アメリカの経済活動を測るために非常に注目される経済指標です。これらは特にサービス部門の景況感を示し、市場参加者や投資家にとって重要な指標となっています。
1. 米総合・サービス部門PMI改定値
PMI(Purchasing Managers’ Index、購買担当者景気指数)は、ビジネスの状況を測るための指標で、50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気縮小を示します。米国の総合およびサービス部門のPMIは、S&P Globalが発表し、企業の購買担当者に対して調査を行い、事業活動の方向性を示します。
- 総合PMI:製造業とサービス業を合わせた経済全体のパフォーマンスを反映。
- サービス部門PMI:サービス業のみにフォーカスし、アメリカ経済の大部分を占めるサービス業の景気を反映します。
PMIの改定値は、速報値から修正された数値であり、予想との乖離や改定幅が注目されます。
2. 米ISM非製造業景況指数
ISM(Institute for Supply Management、供給管理協会)が発表する非製造業景況指数は、アメリカのサービスセクター(非製造業)の景況感を示す指標です。製造業に焦点を当てたISM製造業景況指数に対して、ISM非製造業指数はサービス産業の状況を測定しています。
- 50が基準:50以上は非製造業セクターが成長していることを示し、50未満は縮小を意味します。
- 主要構成項目:
- 業況指数:全体の業況を測る。
- 新規受注:新しい事業活動の状況。
- 雇用指数:サービス業における雇用の状況。
- 価格指数:インフレ傾向を見るための価格データ。
8月米ISM非製造業景況指数の影響
特に8月のISM非製造業景況指数は、アメリカのサービス業の強さや、経済全体の回復力に対する重要な指標として注目されます。景気の動向や、連邦準備制度(FRB)の政策見通し、特に金利に関して市場に影響を与えます。
ナスダック総合指数とWTI原油先物相場は、世界の金融市場で注目される主要指標で、それぞれ株式市場とエネルギー市場を反映しています。
1. ナスダック総合指数(Nasdaq Composite Index)
ナスダック総合指数は、アメリカのナスダック市場に上場する全ての株式を対象とする株価指数です。特に、テクノロジー企業の影響が強く、テクノロジーやバイオテクノロジー関連企業の動向を反映します。ナスダック市場は、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に次ぐ世界最大の株式市場の一つです。
ナスダック総合の特徴:
- 構成銘柄:ナスダック市場に上場している約3,000銘柄を対象とする。
- テクノロジー重視:Apple、Microsoft、Amazon、Meta(Facebook)、Alphabet(Google)など、主要テクノロジー企業の株価が指数に大きく影響を与えます。
- 市場の指標:アメリカだけでなく、世界中のテクノロジー株に対する投資家のセンチメントを示し、特にハイテク関連の動向に敏感です。
影響要因:
- テクノロジーセクターの業績:主要テック企業の決算が良ければ指数は上昇し、悪ければ下落する傾向があります。
- 金利動向:FRBの金利政策がテクノロジー企業の資金調達コストや成長見通しに影響を与えます。
- 経済指標や地政学的リスク:経済の健全性や地政学的なリスクも、テクノロジー企業の業績や投資家のリスク許容度に影響します。
2. WTI原油先物相場(West Texas Intermediate Crude Futures)
WTI原油先物は、アメリカの原油価格指標の一つで、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で取引される。WTIは軽質で硫黄含有量が少ない「スイートオイル」として知られ、国際的な原油価格の基準の一つとなっています。
WTI原油の特徴:
- 米国内の原油価格指標:WTIは米国内の原油価格を反映し、特にテキサス州で産出される原油が基準となります。
- 軽質スイートオイル:加工しやすく、ガソリンなどの製品に変換しやすいため、需要が高いです。
影響要因:
- 供給と需要のバランス:産油国の生産量調整(OPECの政策や米国のシェールオイル生産量)、世界経済の成長、特に中国やインドなどの新興国のエネルギー需要がWTI価格に影響します。
- 地政学的リスク:中東やロシアなどの主要産油国における紛争や制裁が供給に影響し、価格を変動させます。
- 為替動向:ドル建てで取引されるため、米ドルの強弱が原油価格に影響を与えます。ドル安は原油価格を上昇させる要因となり、ドル高は逆に原油価格を押し下げる傾向があります。
- 在庫データと経済指標:米国の週次原油在庫データや、GDPなどの経済指標も需要予測に影響を与えます。
結論
- ナスダック総合指数はテクノロジー企業に影響を強く受け、市場のリスク許容度や金利動向がその値動きを左右します。
- WTI原油先物相場は、原油供給と需要、地政学的な要因、そして米ドルの動向によって大きく変動します。
※自分もわかっていないので間違いなどがあるかもしれません。
その時は、お問い合わせから教示頂けたら幸いです。
コメント